• テキストサイズ

Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第58章 赤い鮮血


「サシャを殺したのはこいつです。あなた方の娘さんの命を奪いました。まだガキですが、厳しく訓練されたマーレの兵士です。気をつけてください。人を殺す術に長けています。」

全身が赤く染まっているファルコを抱えながら包丁をガビに突きつけているニコロ。
サシャの家族たちは、ガビとニコロの正体を知らずにしばらく一緒に暮らしていたらしい。

こんな偶然が…
ニコロの頭には完全に血が上っていた。

「ブラウスさん…あなたが殺さないなら俺が殺しますが、構いませんね?」


レストランに到着したハンジたち一行は騒ぎに気づいて駆けつける。

「なっ?!なぜこんな所にサシャを撃ったガキが?!この2人は逃亡中と聞いていたが…ニコロ?何しようとしてんだ?!」

ジャンが近寄ろうとした瞬間、ニコロは包丁をファルコに突きつけた。

「寄るな!さがれ!そこから動くな!ただサシャの仇を撃つだけだ!」

「やめて!ファルコは違う!」

赤い鼻血を大量に流しながらガビが必死に止める。
しかしニコロは更に殺気立っていた。

「このボウズはお前の何だ?お前を庇ってこうなったよな?!お前の大事な人か?!…俺にも大事な人がいた!エルディア人だ!悪魔の末裔だ!」

静かなレストランの一室。
張り詰めた空気の中、ニコロの大声だけが響いた。

「だが彼女は誰よりも俺の料理を美味そうに食った!このクソみてぇな戦争から俺を救ってくれたんだ…人を喜ばせる料理を作るのが本当の俺なんだと教えてくれた…それが、サシャ・ブラウス…お前に奪われた彼女の名前だ!」

ガビはハッとしたようにニコロを睨みあげた。

「わ、私だって!大事な人達を殺された!そのサシャ・ブラウスに撃ち殺された!だから報復してやった!先に殺したのはそっちだ!」

「…知るかよ。どっちが先とか」

「っ!目を覚まして!あなたはマーレの兵士でしょ?!あなたはきっとその悪魔の女に惑わされてる!悪魔なんかに負けないで!」

その言葉に皆が目を見開き、サシャの父は冷静沈着な態度でニコロに手を差し伸べた。

「ニコロくん…包丁を渡しなさい。」
/ 1213ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp