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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第57章 カード


「ふざけるな…冗談じゃねぇ。巨人に食わせるべきクソ野郎は他にいる!」

「え…?」

額に手を置き、いきり立つリヴァイに息を飲むバリス。


「あそこにいるクソ野郎だ」

リヴァイが指さす先には読書をしているジークがいる。

「ど、どういうことです?」

「ジークの獣を他のやつに移す。イェーガー派とかいうのを1人でも捕まえて巨人にし、ジークを食わせてやれ。そしてヒストリアが覚悟した通りなら、そいつを食ってもらう。数ヶ月後の出産を待ってな。」

「なっ?!その数ヶ月の間に敵の総攻撃を食らえばエルディアはおしまいですよ!無事に出産できるとも限りませんし…」


バリスの額に汗が滲んだ。
そんなにうまく事が運ぶとは到底思えない。


「こちらから再びマーレに仕掛けて敵の攻撃を遅らせることもできる。無茶は承知だが、ここが勝負どころだ。これ以上奴の思い通りにはさせねぇ。」

「・・・」


「ジークさえ失っちまえば連中はおしまいだ。
ピクシスにそう伝えろ。行け。」

「…本気ですか兵長?」

「奴の四肢でももいでおけば爺さんも腹括るだろ。」

そう言い捨てて木から降りようとするリヴァイをバリスは呼び止める。

「待ってください兵長!まだ…ご報告が…」

顔を顰めて振り向くリヴァイにバリスは緊張感を走らせ、思わず生唾を飲み込んだ。

「…なんだ。」

「リヴァイ兵長…実は…ルーナさんが消えたそうなんです」

リヴァイの目がみるみるうちに見開かれ、言葉を失ったように固まった。

「…フロックたちと…レオンたち3人や、他にルーナさん直属の部下たちと…ともに…」

「…どういう、ことだ?」

「恐らくルーナさんは、イェーガー派の中枢にいると…思われます…もちろんまだ、確証はない…ですけど。」

その瞬間、耳が遠くなったように何も聞こえなくなった。
自分の呼吸すらも忘れたかのように、息遣いすらも。

「なん…だと…」

ルーナ…
お前は今どこで何を考え、何をしているんだ?
俺のカードはもう、誰かの手の中にあるのか?
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