Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第56章 炎の中■
今回亡くなってしまった英霊たちの葬儀が終わった。
「本当に…サシャは死んだのか?…お前ら何やってたんだよ…!飛行船に乗り込んできた子どもに撃たれたって…そんな馬鹿な話があるかよ…」
ニコロは墓にひれ伏して涙を流している。
こんな時に限って、空は曇っていて、今にも雨が降りそうだ。
「ただの女の子じゃない。訓練されていた…」
「戦士候補生か…」
「俺の油断があった…すまない…ニコロ…」
ジャンが悔しそうに俯きながら言う。
「なんで俺に謝る?俺はただ…飯を用意してただけだ…」
コニーがニコロの肩に手を置いた。
「あいつに美味いもんたくさん食わせてくれて、ありがとうな…。」
「お前はどうなんだよ、コニー…」
「俺とサシャは…双子みてぇなもんだった。自分が半分亡くなっちまったみてぇだ…」
その様子を、ルーナはバリスと共に後方から見つめていた。
コニーの今の言葉が頭にこびりつく。
双子…
半分なくなる…
考えたくもないことだ。
自分もいつか…そんなふうな感覚に陥ることになってしまうのだろうか?
「ルーナさん、我々は行きましょう」
バリスの声にルーナは静かに頷いて踵を返す。
「リヴァイはやっぱりジークから目が離せないのかな?」
「そうですね、今は。…明後日にはジークは拘留場所へと移送されます。リヴァイ兵長と私、それと30名の兵士がついていく予定です。…」
「そう。バリスも気をつけてね。」
ジークは今、調査兵団本部の地下の一室にいる。
拘留地へ移送されるまでの間、結局そこが一番安全だと踏んでのことだった。
ジーク監視のため、リヴァイとは島に戻ってからというもの全然会えていない。
ほとんど地下で過ごしていて、たまに戻ってきても、互いに忙しく行き違いになっている。
会いたいような…会いたくないような…
複雑な心境になっているのは、拘留地へ移送されたらもうリヴァイといつ会えるのかさえ分からなくなるから…
また離れ離れ…
胸が締め付けられるほど苦しくなる。
それならいっそ、このまま会わずにいた方が楽な気がしてしまう。
なにより命だって心配なのだ。
コニーの言うように、自分の半分を失いたくない。