Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第55章 マーレ-レベリオ強襲撃
「くそ…今ので何人かやられた。」
「顎と車力はイェレナが拘束してたはずじゃ…」
「ああ。どうにも失敗したんだろうな」
車力の重機関銃武装は飛び回る立体機動にとっては不利だ。
ルーナは耳を劈く音を聞きながら奥歯を噛み締めた。
まだ負傷だけで済んでいる仲間がいたら助けたい。
そのとき、ついにドシドシという地響きが聞こえた。
「来やがったな…獣の巨人…!」
ルーナは目を見張った。
初めて見るその獣はあまりにも大きく一瞬にして鳥肌が立つ。
あれが…みんなの仇…
エルヴィンの仇…
殺したい…!!
でもそれができないことが悔しすぎてたちまち体が震え出した。
リヴァイを見ると、凄まじい気迫を放って獣を睨みつけている。
一番獣を殺したいのはリヴァイのはずだ。
目の前で自分のために獣に殺されていったエルヴィンや部下たちの光景は忘れられないはずだし、獣を取り逃した自分自身も許せないのだろう。
"皆あんなところで死ぬべき奴らじゃなかった。
俺は奴らの犠牲の上に生きている"
それを言っているときのリヴァイの顔が忘れられない。
けれど…
「あれが…ジーク…
リヴァイ…殺しちゃダメだよ…」
「分かってる。…ルーナ行くぞ」
リヴァイと共に飛んでいく。
それを合図に仲間たちも集まってきた。
「逃がすな。殲滅しろ。」
その獣の声に呼応するようにリヴァイが言った。
「死ぬな。生き延びろ。」
ここにいる仲間たち全員の命を無事に帰したい。
その想いは、誰よりも強い。
リヴァイが獣に向かって飛んでいき、
戦闘の火蓋が切られた。
皆各々敵に向かっていく。
「獣の投石と車力の銃撃に気をつけて!」
ルーナはそう叫びながらも、また撃ち落とされていく仲間たちを助けることが今はできなかった。