Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第55章 マーレ-レベリオ強襲撃
「ルーナ、お前…」
そこから先の言葉が出ない。
ただ眉をひそめてその愛しい顔を見つめてしまう。
ぜってぇ死ぬなよ…
その言葉はここに来るまでの間、もう何度も心の中で言ってきた。
そしてそれはルーナも同様だ。
「大丈夫。私を誰だと思ってるの?」
「ふ…そうだなお前は…」
俺と同じ…
ルーナは眉を下げ、優しい笑みでリヴァイの手を取った。
そしてそれを自分の心臓に持っていく。
リヴァイも同じようにルーナの手を自分の心臓に置いた。
同時に、どちらともなくその薬指の指輪にキスをする。
これは毎回2人が離れる時には欠かさない儀式だ。
「また、あとで…」
「…あぁ。」
そしてルーナはリヴァイに真剣な表情を見せた後、瞬時に振り向きエルヴィンのマントを翻した。
フロック、レオン、ロジーネ、ブルーノ、ホルガー、ヴィム、ルイーゼ、それと何名かの部下を引き連れて行ってしまった。
リヴァイはその背を見送った後、同じマントを翻し、高台を目指して飛んで行く。
「バリス、くれぐれも無茶はしないでね。ミカサが先に行っているからタイミングを図って…」
「はい。ルーナさんこそ、お気をつけて。」
「また後で合流しよう。」
そしてルーナは力強く手を握ったあと、バリス班を見送った。
「さぁ、私達も行こうか。覚悟はいい?」
「「はい!」」
ルーナの班員は皆今ではもう精鋭に入るほどの実力のメンバーだ。
「私のことはいいから、自分たちの命を最優先に考えてね!」
その言葉に、皆は緊張した顔で頷いた。
誰一人として、死んで欲しくはない。
必ずみんなで生きて帰りたい。
リヴァイは…
きっと大丈夫…。
ルーナの瞳は一気に色を変えた。
まるで体中の力と熱がそこに集まったかのように闘志の炎が燃えていた。