Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第9章 シガンシナ区墜落■
その日も調査兵団は壁外調査に出ていた。
壁外調査は壁内が手薄にならないように何分の1かの兵士は行かずに残る。
今回はルーナを含めた数十人の兵士が留守番組だった。
ルーナは自室で執務作業をしていた。
死亡・行方不明の兵士リストを手に、連なる名前の一つ一つをしっかりと読んでいく。
中にはもちろんルーナを慕ってくれていた者や何度か話した者もいる。
皆、紛れもなく大切な仲間であり同志だった。
「心臓を捧げることに悔いはないだろう」
前に、エルヴィンがリヴァイに投げかけた言葉を思い出す。
果たして本当にそうだっただろうか...
皆それぞれ大切な家族や友人がいて、その人たちも彼らの帰りを待っていたはずだ。
その大切な人が壁外調査からの帰還時にいないことに気付きどんな思いだっただろうか。
調査兵団になってから10年以上たったのに、仲間を亡くす度にこんなことを考えてしまう。
人類の勝利のためと言いながらも、私とエルヴィンは本当は自分たちだけのために戦っている。
たくさんの仲間の屍を踏み台にして...
しかし、未だに壁外調査では充分な成果を得られずにいる。
いつになったら死んで行った仲間に報いることができる...?
ルーナはリストを棚に移し入れた。
そこの棚はもう既にキツキツになっていた。