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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第53章 板挟み


「その歌を聴いてると…また眠っちまいそうだ…」

ルーナはリヴァイの髪に滑らせていた手を止めて、ふふっと笑った。
リヴァイは小さな子供のようにルーナの胸に顔をうずめている。
ギュッと抱き包みながら長い息を吐く。

「私も随分と呑気なものだね…」

そろそろ朝日が昇りそうだ。
カーテンの隙間からの日差しに目を細めて上体を起こそうとする。
しかし、しがみついているリヴァイから凄い力で押し戻される。

「っあ…もう、ちょっとリヴァイ」

「いいじゃねえか。まだ時間はあるだろ…」

寝ぼけているような掠れた声を出すその唇に優しくキスをする。

ずっとこうしていられたら、どれだけ幸せだろうかと…
今まで何度も何度も考えてきた。
いつかこうして、何も考えずに、静かな場所で、2人だけの世界に浸れていられたら…


しかし現状はいつだってそれを許してはくれない。
あれからしばらく経ち、エレンからの手紙のやりとりを繰り返している。

ジークに全てを委ねると…そう記されていた。

始祖を宿し、この島1番の戦力とカードであるエレンに対して、自分たちは彼に従うしか術はない。

そのためには、エルヴィンの居なくなった今やるべきこと、準備しなくてはならないことが山積みだ。

最近はもう頭がパンク寸前で、
しかしそれはリヴァイも同じはずだ。


誰もが、愛する人と愛するだけの生き方をしたいと思っている。
しかしいつだってそれはほんのひと時だけで…

でもそのひと時があるだけでも、
ありがたく思わなくてはいけないのだろうか…


「そういえばお前…俺がお前の短髪を見たいと言ったこと、忘れてやがるな…」

リヴァイが突然ルーナの髪を弄り回して不機嫌そうに言った。

確かにあの時…
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