Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第52章 新月■
その日は突然、なんの前触れもなく訪れた。
その日の訓練を全て終え、夜遅くに部屋へ戻った時だった。
「!?!?」
一瞬、自分はついに幻を見るくらいにまで限界が来たのかと思ってしまったほど、時が止まったように身体が硬直してしまった。
目を見開いたまま数秒固まって動けないでいると、随分と久しぶりに聞く愛しい人の声。
「ルーナ…」
「リ…っ」
「おいおいなんだ。
喋れなくなっちまうほど寂しかったのか?」
久しぶりすぎる温もりに包まれる。
ギュッと背中と後頭部に手が回り、その逞しく暖かい体に強く引き寄せられ、密着する。
そのままこめかみに優しく唇が触れ、耳元で囁かれる。
「ただいま…」
その瞬間、ルーナの中で何かが勢いよく弾け飛んだ。
「おかえりっ…リッ…リヴァイ…!」
ようやくギュッと抱きしめ返す。
これでもかというほど強く、強く…
「会いたかった…会いたかった…」
「あぁ。俺もだ。ずっとお前のことを考えてた」
バッと身体が離れたかと思えば、また強く腰を引き寄せられ、貪るようなキスをされる。
ずっと待ち望んでいた愛しい人との濃厚な口付けに酔いしれる。
ルーナはリヴァイの両頬に手を這わせ、ひたすら口内を掻き回し、蕩けるようなキスを堪能した。
何度も角度を変えて、互いのこれまでを埋めるように随分と長く。
どちらともなく名残惜しそうに唇を離す。
濡れた唇のまま色欲と切なさを纏った視線が交わる。
「おかえり…」
「あぁ。ただいま。」
再度そうして言葉を交わすと、2人が今またここでこうして抱き合っていることの実感が湧いた。