第1章 不死川×夢主
父:「、お前を娶ってくれそうな人は他にいるのか?彼より好条件でだ。」
:「それは…」
の頭には不死川の顔が浮かんだが、鬼殺隊であるため"彼より好条件"であることを満たしていなかったので口籠ってしまった。
父:「いないのなら縁談を受けなさい。娘が取り残されるのを誰も見たくはないんだよ。」
:「……分かりました…。」
それからは花嫁修行に励んだ。手をボロボロにしながら。
そして匡近の命日の日がやってきた。
:「お母さん、お花にあげるお水持った?」
母:「何言ってるの!これから洋さんがうちに来るのよ!言ったでしょう!?」
:「…え?聞いてないよ…。それに今日はお兄ちゃんの命日じゃ…」
母:「そんなこと言ってる場合じゃないわよ!匡近のことは何も言ってないから、内密にお願いね。」
:「…なんで…?なんで、お兄ちゃんのこと言わないの?今日はお兄ちゃんの命日だからって断ればよかったじゃない。それで無理矢理要求を通してくる人なんてきっと…」
母:「匡近の職業を聞かれたらどうするの!鬼を狩る仕事でしたなんて、笑われるわ!いい?あなたは一人っ子だったのよ。大事に育てられた箱入り娘。分かったわね?」
:「…どうしてお母さんは、鬼殺隊のこと…お兄ちゃんのことそんな風に言うの…?」
母:「死んだ者より、生きている娘の方が大事だからよ。死んでしまった息子のことは幸せを願うことももう出来ないけれど、生きてる娘のことはどうとでもしてあげられる。お父さんも言っていたように、私もに幸せになって欲しいのよ。」
はそう言われては何も返せなかった。