第1章 不死川×夢主
:「困った時は、助けてって、素直に言うのよ。他の街のことはよく知らないけど、ここにいる人たちはその声を無視するような人たちじゃない。もちろん、私もね。だから、盗んだりしないで、困ってるから助けて欲しいってちゃんと言うこと。いい?」
子:「でもさっきの人は…」
:「さっきの人はきっと行商よ、見たことない顔だもの。だからすぐいなくなる。」
子:「…分かった…これからはちゃんと言うよ…」
:「いい子ね、じゃあそれで助けてもらったら?なんて言うの?」
子:「ありがとうって言う」
:「そう。それが言えるなら大丈夫よ。じゃあ、はいこれ。」
子:「さっきの大根…それに、米まで…?」
:「うん、盗みが悪いとは言え、大根一本くらいで腕切り落とそうとするのはやりすぎよね。米はさっきお米屋さんの前通ったらもらったのよ、あげる。」
子:「…ありがとう…お姉ちゃん…」
:「うん、もう行っていいよ、バイバイ」
子供は走って帰っていった。
不:「あんなのに突っかかってくなんて危ねぇじゃねぇかァ。何考えてんだよォ。」
:「!?実弥さん!いらっしゃってたんですね!ん?見てたなら助けてくれても良くないですか?」
不:「どうすんのかと思ってよォ。危ねぇ目に遭いそうだったら助けるつもりだったよォ。は賢いんだなァ。」
:「あら、そうだったんですか?なら良いですけど。そんなこと初めて言われました。ああいうことするから、無謀だとか、女なんだから歯向かうなとか言われちゃっていつまでも誰も娶ってくれないんですよね。」
不:「俺は良いと思うぞォ。」
:「そうですよね?良いですよね?だって、子供が腕切られそうになってるのに、黙って見てる人の方がおかしいですよ。」
不:「匡近に似てるんだなァ。そういうところ。」
2人は少し街を歩いた。