第1章 不死川×夢主
後日、不死川は任務で近くまで来ていたため、のいる街へと立ち寄った。
不:(そんな偶然会えるわけねぇよなァ…ん?なんで俺は会いたがってんだァ?きっと匡近の妹だからだよなァ)
そんな時、遠くから怒号が聞こえた。
男:「おい、ガキ!今大根盗んでっただろ!」
不死川は声のする方へと向かった。
そこへ着くと、八百屋の店主が激怒していた。
子:「今、妹が病気してて…少しでも食わせてやらないともう死にそうなんだ…」
男:「んなの、知るか!そういう悪いことする手を持つガキにはこうしてくれるわ!」
男は包丁を取り出し子供の手を押さえ付けた。
みんなが息を飲んでみている中、飛び出してきたのは
:「ちょ、ちょ、ちょ、まあそんな怒んなくてもいいじゃないですか〜。」
そう言いながらは振り上げている男の手をガッチリと掴んでいた。
不死川は驚いたが少し様子を見ることにした。
男:「なんだてめぇ?こいつが盗みをしたから罰を与えるだけだろうが!」
:「弟がすみません。まぁまだ子供ですし、返しますから許してあげてくださいよ。」
そう言っては男から見えないようにそこに並ぶ大根を一本取って男に渡した。
男は盗まれたものを返されたと思っているため怒っているものの、もう何も言えなかった。
:「だめじゃない、盗みなんかしちゃ。」
は子供の耳元で、合わせて、と囁いた。
子:「ごめんなさい…姉ちゃん…」
:「よく言って聞かせますから。ほら行くよ」
そう言っては子供の肩を押して行ってしまった。
不死川はすかさず後を追う。
路地に入ったところでの足は止まった。
:「妹何歳なの?」
子:「8歳…」
:「2人で暮らしてるの?」
子:「うん…」
:「そっかぁ、じゃあ大変だね。でも、盗みはやっちゃだめだよ。」
子:「分かってるけど…どうしようもないんだ…そうでもしなきゃ…死んじゃうよ…」