第2章 悲鳴嶼×夢主
悲:「…、感情を殺すな。」
:「…平気です、なんともありません。…」
悲:「家族が惨殺され、弟は鬼になり、人を喰らっているところを目の当たりにして、それを自分の手で殺す。つらくないわけがない。感情を出すことは恥ではない、強さは肉体に対してのみ使う言葉ではない。、そなたは誰よりも強く、美しい。どこに出しても恥などではない。」
:「悲鳴嶼さん…私、もう分かりません…道に迷ってしまいました…」
はポロポロと涙を流しながら口を開いた。
:「家族が殺されたあの日も、弟を殺した時も、死ぬほどキツい鍛錬をしたときも、辛かった、苦しかった…あまりにも負の感情しか自分の中に湧かなかったから、全て素通りすることにしました。そんなだからみんなからも嫌われてしまったのに、悲鳴嶼さんだけは、私を見捨てなかった。
今だって、弟を殺して、こんなに大きな怪我まで負って、辛いはずなのに、苦しいはずなのに、悲鳴嶼さんの言葉にホッとして、安心してしまってる自分がいるんです。もう、何年も自分の感情と向き合ってこなかったから、今自分がどう感じているのか、どうしたいのかが分からない…」
は今まで黙ってきた数年分なのではないかと思うほど話した。
悲鳴嶼は優しくを抱きしめた。
悲:「何度でも迷ったらいい。何度でも私が探しに行こう。遅くなってしまったとしても必ず見つけ出す。いつだって私はのそばにいる。」
:「悲鳴嶼さん…」
が顔を上げると2人は見つめ合い、悲鳴嶼がに口付けを落とした。
:「!?」
悲:「、愛している。そなたが倒れた時、気が気ではなかった。怪我をしながら鍛錬する姿を見るのも、本当は屋敷に閉じ込めておきたいと思うほど心配だった。」
:「だから、辛かったら言えと言っていたんですね。」
悲:「あぁ、そうだ。」
:「私は…