第2章 悲鳴嶼×夢主
だがそれからもは鍛錬を続けた。他の人なら死んでしまうのではないかと思うほどの鍛錬を。
そして、ついに運命が動き出す夜が訪れた。
に他の隊士がやられてしまったため、任務に向かえた指令が来た。そう、十二鬼月が現れたのだ。
そして任務先へ着くと
:「…前と同じだ…」
厭妬:「また会ったな、鬼狩り」
:「…えんと…」
討伐を命じられた十二鬼月は弟であった、数年前に仕留め損ねた厭妬だった。さらに、厭妬の目には上限の陸と刻まれていた。
:「…数年で上限に入ったのか…」
厭妬:「お前の階級は変わってないようだな、女だから仕方ないか」
:「…無駄な時間は嫌いだ…」
はすぐさま厭妬に切りかかった。
厭妬:「遅い。」
他の柱でさえ速いと思うの動きを厭妬は軽々と避けた。
厭妬:「前と強さは変わらなそうだな。鍛錬もせず不貞寝でもしてたのか?」
その瞬間は思い切り投げ飛ばされた。
:「…っ…?」
走ろうとした瞬間体が動かないことに気づき自分のことを確認すると、あろうことが右肩のところを枝が貫通し、体が木に固定されてしまっていた。
厭妬:「ほらな、本当に鍛錬していたのかと疑うほど、弱い。」
:「…」
は無言で足を木について、自分の体を前に押し出し、枝の固定から抜け出した。
:「…痛い…」
は大きく息を吸い込むと、呼吸を止め、今までとは比にならないくらいの速さで、気配を消しながら移動することで厭妬を惑わせた。
厭妬:「どこだ、見えない、気配がない。そこか!?」
:「岩の呼吸 伍ノ型 瓦輪刑部」
ゴトッ…
:「…っ…」
は右肩を抑え、膝をついた。
そこへちょうど悲鳴嶼がやってきた。
悲:「!はっ、傷が…」
厭妬:「姉ちゃん…」