第2章 悲鳴嶼×夢主
は滝行をしながら考えていた、
不:「女のなりで岩の呼吸を使ってんならいつまでも弱ぇままだと思うがな」
:(どうしたら女でも悲鳴嶼さんのように強くなれるのか…。やはりまだ鍛錬が私には足りていないのだろうな…)
の中に岩の呼吸をやめるという選択肢は全くなく、後に柱となる甘露寺ほどの力も無いので、悲鳴嶼のようには男性でもなれるか怪しいのに、ほとんど不可能であった。
も薄々気づいていた。だが、だからと言ってあきらめるのではなく、少しでも近づけるよう普通の人の倍以上努力すると言うのが彼女なりの考えだったのだ。
それからと言うものの鍛錬の負荷も時間も倍以上に増えた。
それから3ヶ月ほど経ったある日また悲鳴嶼から前と同じことを聞かれた。
悲:「…岩の呼吸法はつらくないか…」
:「…つらくないです…」
悲:「…努力するのはいいことだ…だが、無理はするな…体を壊したりしては元も子もない…」
:「…無理でもしないと、悲鳴嶼さん達のようにはなれません…私は特に、何も秀でたものがないですから…」
悲:「は柱になりたいのか…」
:「…階級には興味ありません…」
悲:「ならなぜ、強くなることに拘る…」
:「…悲鳴嶼さんに恥をかかせたくないからです…」
悲:「どういうことだ…」
:「…柱になったばかりの悲鳴嶼さんに私は助けていただいた。そこからずっとお世話になっています。それなのに、使う呼吸法は岩ではない、その上弱いなどとなれば、悲鳴嶼さんに恥をかかせてしまいます。だから岩の呼吸法で強くなりたいんです…。」
悲:「そんなことで恥とは思わん。それに、そんな理由では強くなれん…」
:「…私には立派な理由です…恩人の悲鳴嶼さんと同じ呼吸法で悲鳴嶼さんのように強くなりたい…これは私が頑張れる立派な理由です…」
悲:「…そうか…だが無理はするな…」
:「…はい…」