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救いの光[鬼滅の刃・R18短編集]

第2章 悲鳴嶼×夢主


:「…足りない…」

は任務から帰ってくるとそう言って休む間もなく鍛錬を始めた。しばらくすると不死川がやってきた。

不:「おめぇ、鬼を逃したんだってなァ。動きは速ぇと思ったがそういうことかァ。だからいつまで経っても柱にはなれねぇんだなァ。」

:「…邪魔をしに来たのなら帰れ…」

不:「俺は柱だぞォ。オメェの方が長く鬼殺隊にいるかもしれねぇが、階級はお前より上だァ。言葉に気をつけろォ。まぁ、お前は女のなりで岩の呼吸使ってんならいつまでも弱いままだろうがなァ。」

悲:「…不死川…何をしている…」

不:「こいつが鬼を逃したって言うから説教しに来たんだよォ。悲鳴嶼さんはこいつにはいつも甘ぇからなァ。」

悲:「…柱ともあろうものが、自分の階級を鼻にかけて、部下に説教するなど…恥ずかしいことこの上ないな…可哀想に…」

不:「なんだとォ?」

:「…滝行に行ってきます…」

は颯爽と立ち去った。

不:「おい、テメェ…」

悲:「不死川、部下の努力も見ずに責め立てるのはやめろ。」

不:「努力がなんだと言うのか。努力なんて関係ねェ。大事なのは結果だァ。1匹の鬼を逃せば何人の人が死ぬと思っていやがる。」

悲:「ならば、部下が逃した分も代わりに切るのが柱というものだ。己の強さを驕り、強き鬼倒すことだけが柱ではない。それが分からぬのなら不死川はまだ柱を名乗る資格はない。」

不:「…ちっ」

悲鳴嶼はこの数年間、信じられないほどきつい鍛錬に耐えてきた彼女が一度たりとも弱音を、文句を言っているのを聞いたことがなかった。
それどころか、もっときつい鍛錬を与えてくれと懇願してくることさえあった。
そんな彼女の努力を否定した不死川に悲鳴嶼は怒っていたのだ。

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