第2章 悲鳴嶼×夢主
悲:「…岩の呼吸は女性にとっては辛いものなのではないか…」
:「…いいえ…」
悲:「…そうか…辛い時はいつでも言え…いい育手を紹介しよう…」
:「…ありがとうございます…」
悲鳴嶼は知っていた。岩の呼吸は他の呼吸と違い、力任せなところがあるため、どうしても男性には劣ってしまうのだ。だが、それを引け目に思わずに少しでも強くなろうと文句一つ言わずにが頑張っていることを。
悲鳴嶼はいつも柱合会議にを連れて行くようにしていた。胡蝶カナエなどの女性の柱もいたため、少しでもが表情を取り戻すようにという、悲鳴嶼なりの気遣いだった。
カ:「岩合さん、今日も可愛い簪つけてるんですね〜!」
:「…」
カ:「悲鳴嶼さんが買ってきてくれたんですか〜?」
:「…えぇ…」
悲鳴嶼はが感情を失っても、自分だけは見失って欲しくなくて、女性であるということを忘れて欲しくなくて、遠くに任務へ行くたびにに簪を土産として買ってきていたのだ。
カ:「悲鳴嶼さんがそんなことするの岩合さんにだけですよ〜」
:「…」
不:「おい、岩合ゥ…胡蝶がせっかく話しかけてんだからもう少し愛想良くしたらどうだァ?あァ?」
カ:「いいのいいの、不死川くん、岩合さんも別に話したくなかったら無理に話す必要はないんですよ〜」
:「…」
不:「テメェ、返事くれぇしやがれよォ。」
悲:「…不死川、そろそろお館様がいらっしゃるぞ…」
不:「チッ」
そして柱合会議が終わると
:「…悲鳴嶼さん、今日は滝に行ってから帰ります…」
悲:「…分かった、何かあったらすぐ鴉を飛ばせ…」
:「…はい…」
そういうとは見えない速さでそこからいなくなった。