第1章 不死川×夢主
:「この前実弥さんと分かれたあと家に帰ったら知らない男の人が来てたんです…。その人が私を娶りたいと言ってくれたんですけど、あまりにも急だったので、私うんともすんとも言えなくて…。そしたらどんどん事が進んでいって、それで、それで…」
不:「一旦落ち着けェ。今ここには俺としかいねェ。俺はどこにも逃げねぇから、ゆっくりでいい。少しずつ話せェ。」
:「…ふぅ。それで、今日になって、今日はお兄ちゃんの命日だからお墓に行くものだと思ってたんです。そしたら、母がお兄ちゃんのことは相手に話してないって言い出して…お母さん、お兄ちゃんのこといなかったことにしようとしてたんです…。」
不:「そうかァ。」
:「私、その時点からすごくモヤモヤしてて、それでその人が来て、2人きりにされて…」
不:「…あんな格好にさせられたのかァ。」
:「…はい…」
しばらく2人は黙っていたが、沈黙を破ったのは不死川だった。
不:「…、そんな変なやつのところ行くくれぇなら、俺のところに嫁に来いよォ…。」
:「…実弥さん…?」
不:「俺が、匡近の分ものこと大事にしてやるからよォ。」
:「…やっぱりきっと、お兄ちゃんが言ってた人は、実弥さんのことだったんだ…」
不:「あいつが何か言ってたのかァ?」
:「どうしても私を娶ってくれる人がいなかったら、鬼殺隊にいる、きっと私のことを大事にしてくれる人を紹介してやるからって、その人になら任せられるからって言ってたんです。それが誰かは聞けなかったですけど、きっとそれは…」
不:「多分俺のことだと思うがァ、そうじゃなくても俺ってことにしとけェ。そして、さっさと返事を聞かせろォ。」
:「私、弱いですよ…家事もできないし…全然女の子らしくないですよ…お母さんは鬼殺隊が嫌いだし…それでもいいんですか?」