第2章 高専さん、こんにちは。
『え?面談に。貴方が呼んだじゃないですか?』
夜蛾「…では、何故この学校に来た」
『あぁ。アイt…五条さんが来い来い煩くって。
この返答では不満でしょう?"他人に言われたら命の危険があっても断らずに行けるのか" "自分の意思は"と思われているでしょうね。きっと。
でも…僕が高専に来たのにはきちんとした理由がある。
…自らの運命と呪いから目を背けたくなかった。
誰かに守ってもらってはその人が犠牲になってしまう。
自分一人の為に尊い命が奪われる必要とは?
僕がその人の命を犠牲にしてまでやり遂げなければならない事なんてある?
第一、皆いつかは死ぬんです。
生きている限りは。
この世界に存在する生き物である限りは。
僕は呪いが憑いているんだからこれからどうなるかは分からない。殺されるかもしれない。最終兵器として生かされるかもしれない。
呪霊側…向こう側の立場になるかもしれない。
そう考えたらね、人を助けたくなったんです。
結局死ぬんだったら人に殺されるんじゃなく。
人を助けて死にたい、と。
高専に入学させて貰おうと思った理由はそれだけです』
夜蛾「…寮は向こうにある。案内は硝子にして貰え。
生徒証明書はまた後日に」