第2章 初めて
そして、ケイトは音もなくその場に立ち上がる。
「私、来年訓練兵、受けるから」
強く、前を見据えて言うケイトに、エレンは少し動揺したがとっさに口を開いた。
「…お、おい、訓練兵になるって…」
エレンはケイトを危険には晒したく無い。
だから出来るだけ兵士とは遠ざかって欲しかった。しかし、そんな願いも一瞬にして消え去った。
「…エレン。止めてもむだだよ?」
ケイトは、笑っていた。
が、その瞳にはとてつもなく強い意志が宿っていた。
エレンはそんなケイトを見て、自分とにていると感じた。
そして少しの心配も覚えた。
自分が一番大切に思っている人を、死なせたく無い。
エレンは巨人を駆逐する他に新しい目的が出来たことを感じる他なかった。
____________ケイトを守る。