第3章 アレイト恋騒動。
「…ね、ねぇ…、ケイト、ミカサ………相談があるんだけど……」
夜、女性訓練兵宿舎はいつも通り賑わっていた。
日々の厳しい訓練の中、唯一の至福の時間はやはりこの宿舎で、就寝する前の友と過ごす時間だ。
ケイトも隣のベッドのミカサと一緒に今日の訓練がどうとか、明日はどうとかとそれなりに至福の時間を過ごしていた。
そんな時。
ケイトとミカサの談笑を妨げるつもりは無さそうだが、二人の背後からか細い声がかかった。
「…どうしたの?リーナ」
リーナ・アムレディア。
淡いブルーの瞳と艶やかな茶色い髪が印象的な女子訓練兵。
普段は活発な性格でなんでも思った事をぽんぽん言って物怖じしない質だ。
しかし今日は雰囲気が違った。
力強そうな眉は垂れ下がっていて、印象的な淡いブルーの瞳は不安げに伏せられている。
無造作にみつあみに結んだ長い綺麗な髪は心ぼそそうに揺れていた。
普段と全く違う雰囲気にケイトは不思議に思い口を開く。