第2章 初めて
「…あっ、ミカサ!てっきりエレンのところに一番に来てたと思ってたよ」
崩れたマフラーの位置を正ながら歩いて来たミカサにアルミンが不思議そうに声をかけた。
しかしミカサはアルミンのその言葉を無視してエレンの隣に歩み寄った。
「……エレン、熱くなるとすぐに衝動的になる…」
「…うるせーな、ほっとけよ」
母親のように心配するミカサに少々不服そうにエレンはミカサを見つめた。
「……おいミカサ、その髪少し長すぎやしねえか?立体機動の訓練で邪魔になるかも知れねえぞ」
そう言って再び歩き出したエレンにミカサはバサリと髪の毛を払われた。
確かに長い。
しかしついさっき【ある人物】に褒められたばかりなのだが。
ミカサはそんなことを思いながら自分の髪を数束指で摘まみ眺める。
やはり、エレンに言われたのだ。
切ろう。
「………わかった。切ろう。でもどの辺まで切ればいいと________………」
肩を並べて歩いていく二人を眺めながらアルミンとケイトは思った。
((ミカサ、どこに行ってたんだろ…))