第2章 初めて
風が吹きあられる広野に数十名の訓練兵が仁王立ちで緊張感を纏っている。
教官がある少年の前で立ち止まる。
「貴様の名前は何だ!!?何しにここに来た!?」
顔の目の前でガンを飛ばされながら少年は胸に拳を作り、忠誠心を誓う。
「シ、シガンシナ区出身、アルミン・アルレルトです!!人類の勝利に貢献するためにここに来ました!!」
「名前は親がつけたのか!?」
「そ、祖父がつけてくれました!!」
「そうか、バカみてえな名前だな!お前は巨人のエサにでもなってもらおう!」
「…っ、」
教官は一通り罵声を浴びせたあと、アルミンの頭を乱暴に掴み後ろを向かせる。
そしてまた違う訓練兵のところへ向かった。