第13章 番外編~家族~
それを見た須磨は戦意喪失した。
とりあえず、宇髄を蝶屋敷に連れて行った。
宇髄は桜雪にやられたとは言わずに【嫁達と大喧嘩した。】
と言ったと連れて行った雛鶴から聞いた。
隊士同士の争いは御法度な為に桜雪を庇ったのだと瞬時に察した雛鶴は話を合わせたらしい。
数ヶ月後…
帰ってきた宇髄に桜雪は
『ごめんなさい…八つ当たりした…』
と真っ赤に腫れた目で言った。
『桜雪…俺たちはお前の家族じゃねぇのか?』
『え?』
また泣きそうな桜雪の頭を撫でながら宇髄は言った。
驚いた顔で桜雪は宇髄を見上げた。
『桜雪が嫌だというなら、嫁じゃなくてもいい。俺より年上だから…姉でもいいだろ?』
宇髄は桜雪を抱き寄せて顎をクイッと掴んで自分の方に向かせて言った。
『姉に…腰に手を回して抱き寄せて口付けしようとする弟は天元くらいだわ…』
桜雪はフフっと微笑んだ。
『今回のこともこれからの事も…家族なんだ。何度でも八つ当たりしたっていい。でもなぁ…今回みたいな派手な八つ当たりはやめてくれよ?』
『うん…ごめん…』
桜雪は宇髄に抱きしめられながら涙声で言った。
そんな桜雪を宇髄は
『手のかかる姉だ…』
と言って優しく抱きしめて頭を撫でてくれた。