第11章 機能回復訓練?
『え〜…厄介な血鬼術って何さ…』
『知らねェよ…だからそれを聞きに行こうと立ち寄った先にお前がいたってわけだァ…』
桜雪の言葉に実弥はどこか面倒くさそうに答えた。
聞き込みしても情報は集まらず…
そこに行ってみることにした。
すると…
『これ、どういう状況?』
桜雪はその場の状態に戸惑った。
実弥も玄弥も同じだったが玄弥に関しては顔を真っ赤にしている。
隊士同士が男女関係なくキスしたり…睦あったりしているのだ。
突然…甘いような匂いが漂ってきた。
『玄弥っ!!嗅ぐなっ!!』
桜雪がそれに気づいて声をあげたが…
『うぎゃー!!寄るなー!!』
他の血鬼術にかかった男性隊士が桜雪に迫ってくる。
『ぐはぁっ…』
その男性隊士をを無言で殴る実弥。
『うわ〜…兄ちゃん…えげつなっ!!』
玄弥がそれを見て思わず言った。
『別に…ただ…ムカついたから…』
無表情でそう答える実弥。
桜雪は一点を見つめてなにかに集中している。
『見つけたっ!!』
桜雪はそう言って走って行った。
実弥と玄弥も桜雪を慌てて追いかけて行った。
そこには長い黒髪の妖艶な女性がボロボロになった廃墟と化した寺の入口に腰掛けていた。
『なんで…あんた達はかかってないのよっ!!』
女の鬼は平気そうな桜雪、実弥、玄弥を見てヒステリックに叫んだ。