第1章 鬼の子
『今のは不可抗力だろォが…』
そう言った実弥の顔はまだ赤い。
桜雪は顔を真っ赤にしながらその場を去っていった。
『あの顔はずりィだろォ……』
実弥は桜雪が居なくなった後に呟くように言った。
翌朝、逃げるように桜雪は藤の家紋の家を出た。
『よし、ヤケ酒じゃア゙ア゙ア゙ア゙ア゙っ!!』
桜雪は先日、行った居酒屋に向かった。
『はぁ~…ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙っ!!』
桜雪は荒れながら酒を飲んでいる。
『よぉっ!!この前は派手に暴れてたなぁ?』
『天元…お前かよ…』
『俺じゃ悪いのかよ…で?何があった?』
偶然、会った音柱・宇髄天元が桜雪の隣りに座った。
桜雪は顔を真っ赤にしながら事の顛末を宇髄に話した。
それを聞いた宇髄は爆笑している。
『笑うなって……』
『そりゃ…笑うだろ…あ〜…笑いすぎて腹痛てぇっ…だったら俺として慣れとくか?』
『しないわっ!!てか、天元は嫁が3人もいるだろうが…嫁としろよ…』
『そうかよ。まぁ、派手に飲みまくって忘れちまえ!!』
天元と飲んで数時間後……
『おーい…桜雪?生きってっか〜?』
『……』
桜雪は酔いつぶれてしまったようだ。
テーブルの上には空の一升瓶が20本くらいは置いてある。
『仕方ねぇ…』
宇髄は桜雪を抱えて店を出た。