第1章 鬼の子
屋敷に帰ろうとすると、任務の指令が入った。
『………なんでお前?』
『久しぶりだな。桜雪。』
鎹鴉に言われた通りの場所に行くと冨岡義勇がいた。
『あぁ…うん。久しぶりだな』
『柱になったと聞いた。おめでとう。』
『えぇ…あーうん…』
桜雪は冨岡の姉弟子ではあるが、無口で言葉数が少なく、言葉が足りない冨岡が苦手なのだ。
けして、嫌いな訳では無い。
桜雪は冨岡と一緒に鬼を倒していく。
『酒の呼吸…伍ノ型・雪乃舞・雪乃茅舎』
桜雪がそう言って日輪刀を空に投げてキャッチして空中を斬ると雪がふわふわと舞ったかと思うと雪の結晶が鬼の頸を斬る。
『あ…』
『チッ…』
屋敷に帰るのが面倒くさくなった桜雪は立ち寄った藤の家紋の家で実弥と会った。
『上の奴にその態度かよっ!!』
『あーこんばんはー』
『お前、礼儀も知らねぇの?』
『それくらい知ってらァっ!!』
『知ってんだったら実行しろやっ!!ど阿呆がっ!!』
『誰がど阿呆だァっ!!』
『お前に決まってんだろっ!!面出ろっごらぁっ!!』
『上等だァっ!!ごらァっ!!』
桜雪と実弥は取っ組み合いの喧嘩を始めた。
『『っ!?』』
2人は突然、スっと距離を置いた。
実弥の手が桜雪の胸を触ってしまった。
顔を真っ赤にしている実弥と口に手を当てて真っ赤になっている桜雪。
『悪ィ…』
『お前…ふざけんなっ!!』
桜雪は顔を真っ赤で涙目になりながら言った。