第10章 ケンカップル
桜雪はというと女性陣に囲まれていた。
『桜雪さんは!!天元様の嫁候補だったんですよ〜!!』
『ちょっと!!須磨っ!!あっちに桜雪の旦那様候補がいるってのにそれは言っちゃダメ!!』
『いいじゃないですか〜!!天元様は別に今は何もしないって言ってるし!!』
『おいコラ…シバくぞ?』
『『はい…ごめんなさいっ!!』』
須磨とまきをの喧嘩をドスの効いた声で止める桜雪。
『なんか、その話を詳しく聞きたいかも!!』
なんて甘露寺がキラキラしながら言う。
『大した話じゃないよ?行くとこないって言うから、しばらく屋敷を貸してただけ。その間に【俺の嫁にならないか?】って言われて【誰がなるかっ!!】って言って足蹴りにしてやった。』
桜雪は一升瓶を片手に言った。
目の前には空の一升瓶が10本くらい置いてある。
もちろん、桜雪が全て空にした。
『天晶さんらしいですね…』
『そ…そうね…豪快でいいと思うわ…』
桜雪の言葉にしのぶと蜜璃は苦笑いを浮かべた。
『あの時は、須磨が泣いて桜雪さんに殴りかかりそうになってて大変でしたけどね…』
雛鶴が振り返るようにフフっと笑って言った。
『だって〜〜!!あの時の天元様…骨が折れててボロボロだったんですよ!!でも!!今は桜雪とは仲良しですー!』
須磨はコロコロと表情を変えながら言った。