第9章 鬼化寸前
悔しそうな顔で黙っている実弥。
産屋敷が言うと鱗滝左近次からの手紙が読み上げられた。
『切腹するからなんだというのか…死にたいなら勝手に死に腐れよっ!!』
ーパァンっ!!
瞬時に実弥の前に立って張り倒したのは桜雪だ。
『何しやがんだっ!!』
『お前さ…ふざけんなよ?人が命かけてんだ。それだけ禰豆子の事を信用してるってことだろうがっ!!簡単に死ねとか言うなっ!!』
『ンなもんっ!!知らねェよっ!!それになっ!!話しかけてくんなっつったろうが!!クソ鬼がっ!!』
『てめぇがアホなことほざくからコッチは教えてやってんだろうがっ!!』
『誰がアホだっ!!当たり前の事だろうがっ!!』
『お前がアホなんだよっ!!それともバカか?あぁ?』
『あァっ?結局はお前は鬼の味方かよっ!!』
『味方とか関係ねぇだろうがっ!!大切な人が鬼になって救えるなら救いたいと思って何が悪いって言うんだよっ!!人を襲わないっていう証明も出来なければ襲うという証明もできない。だったら様子見でもいいだろうがっ!!ガキみたいに喚くなっ!!』
『お前…最近…鬼化しそうになる頻度が多いんだろォ?この鬼もお前も…襲わなかったら認めてやるっ!!無理だろうがなっ!!』
実弥は自分の腕を日輪刀で斬った。
『おいっ!!鬼ィ…飯の時間だぜ?』
実弥は禰豆子の入った箱に血を垂らした。