第1章 鬼の子
『そんなの…今更だから。今、21だよ?それなのに…月の物が来ない。だからそういうのは問題ないさ。心配してくれてありがとう。』
桜雪は微笑んでそう言うと逃げるようにその場を去った。
『そういう問題ではないのだが…』
と1人呟く悲鳴嶼だった。
屋敷に帰ってから風呂に入り、私服に着替えると桜雪は出かけて行った。
着いた先は飲み屋。
そうすると、男が声をかけて来た。
『おう、ねーちゃんよ〜!!細い体してよ〜飲めんのかよ〜!!ここは女の来るとこじゃねぇぞ〜』
そんな男の言葉を無視した桜雪は何も言わずに日本酒の一升瓶を持ってくると
ードンッ
と男の座るテーブルの上に置くと蓋を開けて瓶のまま一気飲みした。
その桜雪の行動は店にいた全員の注目を集めていた。
空になった一升瓶をテーブルの上に
ードンッ!!
と置いた。
『ねぇちゃん!!すげーなっ!!もっと飲めよっ!!』
『俺とも飲もうぜっ!!』
『俺、奢ってやるよっ!!』
等などその場にいた男たちが桜雪に声をかけていく。
『いいねぇ…奢って貰おうか。おいっ!!店主っ!!酒、ドンドン持ってこいっ!!』
桜雪は翌朝、知らない場所で目が覚めた。
『(あれ?ここどこだ?コイツ誰?あー…酔った勢いでまた、やらかしたか。まーいっか。帰るか。)』
桜雪は身支度をして桜雪の隣りに寝ていた男を放置してその場から去った。