第1章 鬼の子
『反応が初々しいねぇ〜?お前…歳は?』
『14だァ…』
『ん〜…って事は…せめて19か…あたし…そんときは三十路……あ〜…まぁ…しかないかぁ…』
桜雪は1人で言って何故か落ち込んでいる。
『なんだってんだよ…』
青年はコロコロと変わる桜雪の表情や一つ一つの仕草を見ていると心臓がドクドクと脈打っている事に気がついた。
『まぁ、頑張りな!!で?名前は?あたしは天晶 桜雪。』
『不死川実弥…』
『実弥かぁ〜了解っ!!またね〜実弥〜!!』
桜雪はそう言ってその場を去っていった。
『下の名前で呼ぶんじゃねェっ!!!!』
顔を真っ赤にした実弥は桜雪が去った方向に向かって叫んだのであった。
『あ、行冥じゃん。ここで何してんの?』
屋敷に帰る途中に岩柱・悲鳴嶼行冥に会った。
『天晶か…久しぶりの非番だからな…炊き込みご飯を作ろうと買い出しに出ていた。天晶は任務の帰りか?』
確かに悲鳴嶼の手には袋がある。
『そうだよ〜あのさぁ~…行冥…稀血の隊士に会った。しかもめっちゃ特殊。おかげさまでそこまで酒飲まなくても呼吸使えちゃったわ。あの血は鬼を酩酊させる。』
『そんな隊士がいるのか…鬼に狙われやすいではないか…哀れな…』
と言って行冥は涙を流している。
『しかも!!男前なんだよねぇ〜最近、ご無沙汰だからね〜思わず襲いそうになったわ〜』
『天晶…自分の体は大切にした方がいい…嫁入り前の娘が男遊びなどするものでは無い…』
困ったような顔で桜雪の頭を撫でてくる悲鳴嶼。