第7章 鬼の少女
『おいっ!!桜雪っ!!起きろォっ!!』
『んー?なに?』
ブチ切れモードの実弥が桜雪を起こした。
『なんで怒ってんの?』
欠伸をしながら桜雪は答えた。
『お前…この手紙はどういう事だァっ!?』
『あ……』
書きかけてやめた失敗作の手紙が実弥の手にあった。
『あ、じゃねェっ!!説明しろっ!!』
『鬼化した女の子を助けた…』
『はァ?ふざけんじゃねェっ!!ンなもんっ!!隊律違反だろうがァっ!!』
『そんな事…分かってるっつうのっ!!』
『分かってるならなんでそんな事してんだァっ!!』
『その子の兄が…必死に妹を殺すなって泣きながら言ってきたんだっ!!目の前で殺せるわけないだろうがっ!!!!』
『ソイツが人を喰ったらどうするって言うんだァっ!!腹でも斬って詫びるってのかァっ!!』
『その覚悟はある…』
『ふざけんなァ…お前との関係は今日で終いだァっ!!金輪際…話しかけてくんなっ!!』
実弥はそう言って桜雪の屋敷を出ていってしまった。
『覚悟してたつもりだったんだけどなぁ~…やっぱり辛いもんだわ~…』
桜雪は1人呟くと目が腫れるまで泣いた。