第7章 鬼の少女
『今はその方法はない。炭治郎がその気なら…鬼殺隊に入隊すればいい。あたしらの師匠…鱗滝左近次という人を尋ねたらいい。あたしが手紙を書く。』
『分かりました…ありがとうございます…』
炭治郎は半泣きになりながら言った。
【鱗滝左近次殿
お久しぶりです。竈門炭治郎という少年をそちらにて育てて頂けませんでしょうか?貴方と同じ鼻が効く少年のようです。鬼の少女には私の血鬼術を使い…催眠をかけては置きましたが、更なる暗示をかけて頂きたいと思っています。
追伸…恋人が出来ました。しかし、鬼嫌いの人です。私以外の鬼は認めないらしいです。恋人と付き合ってから感情が抑えきれなくなると、人を襲いそうになります。今回の事で鬼化してしまったとしたら、不甲斐ない私をお許しください。
天晶 桜雪】
という内容の手紙を桜雪は鱗滝左近次に鎹鴉に頼んで送った。
桜雪は手紙を鎹鴉に預けると大きな溜息をついた。
実弥には言えるわけがない…
言ったら確実に激怒するに決まっている。
最近、鬼が増え始めて実弥には会えていない。
いつも1人でいた筈の自分の屋敷が何故か広く感じて桜雪は寂しくなったが、眠気に襲われて寝間着に着替えて布団に入る事にした。