第6章 最後のお茶会
桜雪は…十二鬼月である上弦の陸・童磨と対峙していた。
『カナエっ!!息止めて!!』
『え?』
桜雪が叫んだが、既に遅かった。
『君…鬼なのになんで鬼狩りなんかしてるの?それに…君はあの方の血を引いている…顔が似ているね?』
童磨は桜雪に言った。
『だからなに?』
桜雪は冷静に言いながら無言で童磨に向かってゆっくり歩いていく。
『っ!?』
童磨は無表情でまっすぐに自分を見つめてくる桜雪に戸惑っていた。
その顔が…自分がよく知っている者に見えた。
『アンタは…何も救えない…可哀想な奴だ…酒の呼吸…漆ノ型…口説き上手…』
『え?なんで…?いつの間に…?』
童磨は戸惑った。
刀を振る素振りなど1度もしなかった筈の桜雪。
いや、早すぎて見えなかったのかもしれない。
童磨の頸は地面に転がった。
『姉さん!!しっかりしてっ!!返事してよっ!!』
後ろでしのぶの声が聞こえた。
『しのぶ…桜雪…あなた方は笑ったほうが可愛いわよ?私は…あなた達の笑った顔が好きよ…』
カナエはそう言って微笑みを浮かべて息を引き取った。
しのぶの悲痛な叫びが響いた。
それと同時に日が登り…童磨の体は崩れていった。