第6章 最後のお茶会
しばらくすると桜雪は落ち着いた。
『ごめん…今まで…こんな事なかった…びっくりした…イライラして…カナエを襲いそうになった…怖かった…』
泣くことのない桜雪が泣いている。
実弥は優しく抱きしめて頭を撫でて桜雪の話を聞いている。
『お前が鬼化しても…俺はお前を止める…止まらなかったら…刺し違えてでも止めてやらァ…』
『うん…ごめんなさい…鬼でごめんなさい…』
『謝るな…桜雪が鬼だったとしても…俺はお前が好きになっちまったんだァ…そんな事…気にすんなァ…』
『うん…ありがとう…』
桜雪は泣いたばかりの震えた声で言って実弥をギュッと抱きしめた。
『なんだろなァ…素直な桜雪ってなんか気持ちわりィ…おい…殴るなっつうのっ!!』
桜雪はかなり軽くではあるが、実弥の腹部を殴っている。
『お前なァ…そんな事してると犯すぞォ?』
『どうぞ。外で出来るならしてみろよ…』
『あァ?してやろうかァ?』
『したら…とりあえず…蹴り飛ばして実弥の屋敷の庭の木に括る。』
『なんでそうなるんだよォっ!!』
実弥の言葉にぷいっと子供のような仕草をする桜雪。