第5章 過去の話と幸せな一時
『不死川とはどうなんだ?』
『突然の話題がそれかよ…』
任務が終わって立ち寄った居酒屋で一緒の任務だった宇髄が言った。
『どうもこうも…いつも通り。』
『いつも通りねぇ〜?』
『なに?』
桜雪は宇髄を睨みつけながらドスの効いた声で言った。
『俺に体を触られたって乙女な反応しない奴が不死川だと乙女な反応しまくりな奴が何を言ってんだろうなぁ〜?派手に愛し合ってんだろ〜?』
茶化すように宇髄は言った。
『あーもぉ〜!!』
桜雪の顔は耳まで真っ赤になっている。
『そういうとこだって。不死川こと考えただけでその反応だろ〜?不死川も大変だなぁ〜』
『何がよ。』
『男ってのはなぁ?普段と違う惚れた女の姿を見ると無性にムラッとくるもんなんだよ。お前は半分は鬼で身体能力も体力も人間の俺らからしたら、底なしだ。お前の体力に不死川がついていけねぇんじゃねぇかと思ってな。お前…性欲強いだろ?』
『実弥も実弥で若いからかな〜?性欲強いほうだと思うから大丈夫じゃね?』
桜雪はそう言ってからグラスの酒を飲み干した。
『まぁ、呑め〜』
ニヤニヤとしつつ宇髄は桜雪のグラスに酒を注いだ。
『酔わしてどうすんだよ…』
『別になんにもしねぇよ。前みたいなのを期待でもしてんのか〜?お前…あの時は派手に酔ってたからなぁ〜?』
『いや、あの時、ホントに記憶ねぇんだって…』
桜雪の顔は真っ赤に染まっている。
酒のせいなのかなんなのかは自分でもよく分からない。