第5章 過去の話と幸せな一時
コソコソと桜雪の噂話をする他の隠たちに佐藤は怒気を強めて言った…
『あなた方は…柱の屋敷付きの隠として恥ずかしくないのですかっ!!根も葉もない噂も桜雪さまのお持ち物を隠したり、捨てたりしたのもあなた方なのでしょう?疑わしきは罰せずとは言いますし、とりあえずは御館様に報告させていただきます!!』
と言って本当に御館様に報告したらしく、その隠たちは柱合会議に呼ばれて柱たちからも御館様からも怒られた。
そして…桜雪の屋敷付きの隠は佐藤だけになった。
『っていう事があってね〜佐藤以外の隠はこれからも付けるつもりはないし、こうしてる今だって何も連絡してなくてもいつも、いつ、帰ってきてもいいように屋敷を綺麗にしてくれてる。』
桜雪はどこか嬉しそうだった。
『それよりも…お前が稀血とか初めて聞いたなァ?』
『あれ?言ってなかったっけ?鬼なのに稀血で自分自身の血にも酔うから酔わないと呼吸使えないあたしからしたら好都合。でも…この前は実弥の血と自分自身の血の匂いで死ぬかと思ったわ…』
『…お前…365日…酔っ払いって事かァ?』
『まぁ、そういう事になるね?』
『やっぱり…アル中柱にじゃねェか…』
『アル中柱じゃねえっ…んっ…んんッ…』
実弥は桜雪に深く口付ける。
『口吸いするだけでこれかよォ…』
桜雪は顔を紅くして潤んだ瞳になっている。
『うるさい…』
『お前をこんな顔に出来るのは俺だけだァ…』
顔を真っ赤しながら何も言わない桜雪に実弥は優越感からニヤっと企んだように微笑んだ。