第5章 過去の話と幸せな一時
桜雪は12歳で鬼殺隊に入ったが、鬼であるが故に人とは違う握力や力をコントロールするまでにかなりの時間を費やした。
初めての柱合会議の日…
『天晶 桜雪…御館様の姪にあたるが…鬼舞辻無惨の血をその体に宿す鬼…御館様のご意向だとしても認められん…』
悲鳴嶼行冥に初対面で桜雪は言われた。
『だったら、どうしたら認めてくれるわけ?まぁ、認めてくれなくても構わないしっ!!』
その時から短気な桜雪は悲鳴嶼行冥の顔に飛び上がって蹴りの一撃いれた。
悲鳴嶼は吹っ飛んだ。
鼻血が悲鳴嶼の鼻から垂れた。
『あたしは人の血にも肉にも興味が無い。そして…不思議な事に…あたしも稀血なんだ。鬼であり稀血…そりゃ…無惨も喰いたくはなるわなぁ?だから、あたしは力を身につけた。そして、鬼殺隊に入った。自分と…まだ見ぬ誰かが幸せに暮らせるようにする為…』
柱の中でも1番の悲鳴嶼に一撃を入れたという事で何故か簡単にその時の柱達は受け入れてくれた。
しかし、一部の隠達は桜雪を恐れ…藤の花束を送り付けるという謎な嫌がらせを受けたり、尖っていく爪を削る為のヤスリを捨てられたり…
【非番の日に夜な夜な出かけるのは実は隠れて人を喰っている。】
なんて根も葉もない噂を立てられたり…
とにかく悲惨な目にあった。
そんな時に会った同い歳の隠。
名を佐藤汰月(さとう たつき)
男らしい名ではあるがれっきとした女性だ。