第30章 終結そして、新しい未来へ
『不死川くん…理由を聞かせてもらえるかしら?』
カナエが少し真面目な顔で言った。
実弥の気持ちを察しているかのようだった。
『確かに…鬼舞辻無惨は俺たち鬼殺隊の敵だった…けどよォ…桜雪の父親でもある。無惨が居なければ俺はただ…鬼を狩ることだけで何も無かった。一時的に平和になったあの時でさえ…桜雪という存在があったからなんとかやって今があると思ってんだァ…俺だけじゃ無理だ…お前らにも協力をお願いしたい…』
『実弥が言いたいことは分かった。みんな…あたしからもお願いします。あんな人だけど一応は父親だから…お願いします!』
桜雪は頭を下げた。
桜雪と実弥に頭を下げられ渋々という者も中にはいたが、この土地を産屋敷耀哉が建物内ごと買い占めて質素ではあるものの、鬼舞辻無惨の墓が建てられた。
桜雪は数日後…あの時、無惨の服のポケットに入っていた写真を写真立てに入れて飾ってある。
その後…炭治郎に言われた。
『この時の無惨…幸せだったんですよ…きっと…心から笑っているような匂いがするんです。』
と。
確かに桜雪もそう思った。
心から笑って楽しそうにしているなと。