第29章 ついに…
その後は代わる代わるお見舞いが来た。
桜雪は産後の疲れよりも皆が祝福してくれる事が嬉しくてたまらなかった。
そして、退院の日…
『ん??実弥?この車…』
実弥はずっとスポーツカーと呼ばれる類の車に乗っていたのだが実弥が近づいて鍵を開けた車はファミリーカーだ。
『あの車にはチャイルドシートはつけらんねェだろうがァ…ローンもねぇし…売っぱらって買った。』
『いつの間に…』
桜雪は驚きつつも、とりあえず車に乗った。
我が子をチャイルドシートに乗せてベルトをした。
それから宇髄の家に向かった。
そこには甘露寺、伊黒、胡蝶姉妹、炭治郎、善逸、伊之助、富岡がいた。
そこから出産祝いだと言ってどんちゃん騒ぎ。
それでも構わず寝続ける赤子。
『ねぇ…実弥…出生届出さないと…結局…名前は?』
『お前の候補とは違うんだけどよォ…いいか?』
『いいよ?どんな名前?』
『あやみ…彩りって字に…俺と玄弥の弥で彩弥…』
『いいと思うよ。そうしよう!君…彩弥だってさ。いい名前だね。』
桜雪は実弥に言った後に彩弥と決まった我が子に優しく話しかけた。