第29章 ついに…
『いたぁぁぉぁぁいっ!!!』
子宮口も全開に近づいて痛みが強くなってくる。
実弥は必死に腰をさする。
『喉…乾かねェか?』
『乾いたけど…なんで缶ジュース?っぁぁ…いったぁいっ!!こんな状況で缶ジュースなんてのめるかぁぁあっ!!』
『ぅ…』
桜雪のブチ切れに実弥はシュンっとしている。
その後もアタフタし続けた実弥は…何故か分娩室で桜雪が息んでいる最中にぶっ倒れた。
桜雪は元気な女の子を産んだ。
『実弥と同じ色の髪だ…』
『そうだなァ…』
『なに泣いてんの〜』
『うるせェ…桜雪…ありがとなァ…』
『ふふっ…凄く痛かったけどね。ついでに誰かさん、何故か失神するし。なんで失神するかなぁ…血なら見慣れてるでしょうに…』
『………。俺が聞きてェ…』
困惑した顔で実弥が言った。
『桜雪…おめでとう。で?さねみちゃん?地味に失神からのお目覚めの後の我が子はどうよ?』
『宇髄…テメェ…それ以上それ言ったらぶん殴る…』
『おー怖い怖い…そんな怖い顔したら我が子でもビビって泣くんじゃねぇ?』
『子供相手にんな事しねェよ…』
『あのいきがってたお前が父親ねえ…俺も頑張ってみるかなぁ~…』
なんて会話を聞いて桜雪は幸せを実感していた。