第29章 ついに…
『もっと…強くっ!!あーーー!!いってぇぇぇ…』
『痛いか?なら…もっと弱くしたほうが『そうじゃねえっ!!強くさすっとけぇ!!』お、オゥ…』
痛みのあまりブチ切れる桜雪。
『須磨あたりは陣痛の痛みで泣きそうだな…』
桜雪の様子を見ていた宇髄が突然言い出した。
『あー…確かに須磨はギャーギャー騒いで泣きそうですね〜 』
『まきをさんまで〜!!そういう事言うまきをさんは桜雪さんみたいに怒ってそうじゃないですか!』
『お前ら…ここ病院だぞ?静かにしとけよ?』
『『はい…』』
ヒートアップしそうな2人を宇髄は優しく止めた。
『まぁ、どんなになっても俺の子供を産んでくれてんなら、派手に全力で支えてやるよ。安心しろ。』
宇髄は嫁たちにそう言って微笑んだ。
陣痛室からは桜雪の怒鳴り声とアタフタする実弥の声が聞こえてきて宇髄はまた笑いが込み上げていた。
『天元さん…笑いすぎです…』
『そういう雛鶴だって笑ってんじゃねぇか…』
『そうですけど…プフっ…普段の不死川さんと違いすぎて……』
『これは他の奴らには見せらんねぇな…』
笑いながら宇髄たちはそんなやり取りをしていた。