第29章 ついに…
数ヶ月後…
ついに桜雪は陣痛が来た。
宇髄からの電話を貰った実弥はとにかく騒がしい。
『兄ちゃん……とりあえず落ち着けよ…さっきから色んなとこにぶつかりすぎだから…』
『お…おゥ…行ってくる…』
『行ってらっしゃい。気をつけてね。俺も部活が終わったら向かうから。』
『わかった…行ってくる。』
玄弥に見送られて病院に向かう実弥。
『いったぁぁぁぁぁぁぁいっ!!』
病院に着くと絶叫する桜雪の声が聞こえた。
『痛いねぇ…大丈夫だから…ちゃんと息をして…フーフーフーフー』
『フーっ…フーっ…フッー…』
助産師の言葉に桜雪はひたすら息を吐く。
『あら、旦那さん?』
『えっ?あっ…はい…』
助産師に声をかけられた実弥は困惑しつつ答えた。
『痛そうにしてたら腰の辺りを力を込めてグーでさすってあげて?』
『はっ…はい…』
動揺しまくりの実弥を見て宇髄は笑っている…
『笑うんじゃねェ…』
少し顔を真っ赤にして言う実弥。
『いや…笑うだろ…こんなお前を見れんのもレアだろ…』
宇髄はそう言いつつ笑いを堪えている。
『また、きたぁ…いったぁい…』
桜雪の言葉に実弥は慌てながら桜雪の腰をさすりにいく。