第27章 冬休み
それから桜雪は何も無い日常を過ごした。
桜雪にとっては平和すぎてどうしたらいいのか分からなかったがお腹の子に話しかけてみたり、やれる家事を手伝ってみたりして過ごした。
『順調に育ってますよ。』
桜雪は妊婦健診に来ていた。
珠世にそう言われた。
桜雪はどこか不安そうな顔をしている。
『なにか不安なことでもありそうですね。』
珠世は桜雪の様子を見て言った。
『はい……鬼としての血が残るあたしが産んだ子供がそれを受け継いで苦しまないかって思って…』
『大丈夫だと言いきれませんが…桜雪さんは昔ほど鬼の血が濃いわけでもないのでそこまで心配無いかと思われます。日光アレルギーに関してはほぼ完全に鬼化した後遺症のようなものなので心配ないかと』
『はい…大丈夫だと思っておきます…』
『そうしましょう。あまり気を病まずに…』
『はい…』
桜雪は会計をして病院から家に帰ろうと外に出ると…
『帰るぞ…』
そこには実弥がいて実弥の運転する車に乗って家に帰ることになった。
『ねぇ…実弥…順調に育ってるって…』
『そうかァ…それはよかった。桜雪…産後はどうすんだ?』
『え?考えてなかった…』
『お前にとっての実家は宇髄の家だろォ?』
『確かに…』
『その方が…安心して甘えられんじゃねェかァ?』
実弥の言葉に桜雪は考えこんだ。