第27章 冬休み
『深く考えこむことかァ?別にお前を嫌って言ってる訳じゃねェんだぞ?それになァ…うちのお袋も最近、パート始めたし…家にいない時に陣痛きたら…俺だってお前1人で家に置いておけねェ…』
『それじゃ…もう少ししたら行かないとだよ?9ヶ月になったら行かないと…』
『そうなるなァ…その時は寂しくなるが仕方ねェな…』
そんな会話を実弥としていると家に着いた。
その後はいつもの日常。
ご飯食べてお風呂に入った。
そこから…実弥がそこら辺の見回りに出かけて鬼が居たら倒して帰ってくるといういつもの日常。
桜雪はその間に色々と準備をしていた。
赤ちゃんの為にスタイ、ロンパースやオムツポーチ、母子手帳ケースなどを作っていた。
その間にもお腹の仲で動き回っている我が子…
『今ね…君の為に色々と作ってるんだよ。みんな…楽しみに待ってるよ…』
桜雪はお腹の子に話しかけた。
それに答えるかのようにポンッと蹴り返してくる。
『返事したのかな?いい子だね…どっちに似て産まれてくるのかなぁ…実弥に似てくれたらいいなぁ…女の子はお父さんに似ると美人さんになるんだって…』
お腹の子はまた、それに答えるかのようにお腹を蹴った。
鬼はまだいるというのに…平和な日常がそこには流れていた。