第25章 最難関!!
数ヶ月後…
『ぅっ…うぇぇぇ…ゴホッゴホッ…うぇぇ…なにこれ…』
桜雪は朝食の後に気持ち悪くなって洗面所で吐き戻していた。
『大丈夫かァ?』
『分かんない…ぅっ…うぇぇ…』
実弥はそんな桜雪を心配していた。
『今日は学校休め…俺もついて行く。』
『うん…』
そういうわけで桜雪は学校を休んで病院に行くことにした。
『は?え?…心当たりはあるけど……え?』
桜雪は診断結果に驚いていた。
実弥も驚いてはいるようだが何故か冷静。
実弥は珠世にこれからどうしたらいいのかとか色々と聞いている。
桜雪は1人で焦って戸惑っている。
『天晶さん。あなたはまだ高校生ということですよね?不死川さんは前向きに検討してくれているみたいです。最後に決めるのはあなたです。』
珠世にそう言われて桜雪は
『はい…』
とだけ答えた。
帰り道…実弥の運転する車の中で桜雪は自分のお腹に手を当てて俯いていた。
『桜雪…確実にこの前のアレだろうとは思う…薬のせいとはいえ…思いっきり中に出しちまったしなァ…俺はお前がどんな選択肢をしてもしっかり責任をとるつもりだァ…』
『あのさ…わかんないの…昔のあたしは出来るなら実弥の子供が欲しいって思ってた。でも、叶わなかった。それで…今、こうやって自分の中に命があるって感覚が不思議で…驚いてて…でも…高校生だし…なんか色々と考えちゃって考えが…まとまらないの…でも…産みたいの…』
桜雪は最後には泣いていた。
『分かった。学校には俺が話しておく。体調不良とでも伝えとく。』
実弥は信号が赤になったタイミングを見計らって桜雪の頭を優しく撫でた。