第2章 気づいてしまった事
『それは…不死川さまに桜雪さまが好意を持たれているからかと。好いている殿方に触られるとそれだけでも心地よい気分になるのですよ。』
佐藤はそう言って微笑んだ。
とは言っても見えるのは目元だけだが。
『あーーーーー!!めっちゃ顔が熱い…佐藤…どうしたらいい?』
『告白してみてはどうです??』
『えっ!?無理だって…なんかアイツと会うと絶対に喧嘩になるし…』
『そこはちゃんと桜雪さまなりに伝えるべきかと思いますよ。』
『分かってる…あ〜…こんなの…あたしらしくねぇ〜!!ちょっと出かけてくるわっ!!』
『はい。行ってらっしゃいませ…』
桜雪はいつもの居酒屋に向かった。
『この前のねぇちゃんじゃん!!突然、帰っちゃうからさ〜寂しかったんだぜ?』
居酒屋で飲んでいるとこの前、絡んできて夜を共にした男が話しかけてきた。
『あ〜…この前の奴か。あのさぁ…あたしを抱いてくんねぇか?』
『なんだよそれ〜色気のねぇ誘い方だな…まぁ、いいぜ?』
桜雪は男と知る人ぞ知るそういう場所に行った。
向かったのはそば屋の2階。
2階にそういう事をする為に貸している部屋があるのだ。
桜雪は男と身体を重ねた。
快感はあったが何か違う気がした。
あの時のゾクゾク感は全くなかった。