第2章 気づいてしまった事
『あ~~…やりてぇ…』
桜雪はイライラして妙にムラムラして自分の屋敷で悶えていた。
飲んで忘れてやろうと居酒屋に行ってみたが、なんだか飲む気になれず帰ってきた。
実弥の事が頭から離れない。
『あ〜も〜!!意味わからんっ!!なんでアイツの事ばっかり考えてんだよっ!!……おい…佐藤…』
『はいっ!!』
桜雪の屋敷で働いている隠の佐藤はすぐに出てきた。
『あたしの相手する気ない?』
『え?え?それは…閨事のことですか!?』
『他に何があんの?』
『いやいやいやいやっ!?!?さすがにそれは…それにっ!!私は女ですよ!?』
佐藤は桜雪の言葉にかなり動揺している。
『別に…こうなったら女だって構わねぇけどなぁ…はぁ~…』
『ヤケにならないでくださいよ……。もしかして…気になる殿方でも?』
『えっ!?いや…別にそんな事ねぇよっ!!』
『僭越ながら…お顔が真っ赤です。その方が気になって仕方ないのであれば…それは恋です。その方が好きなんですよ。』
『へっ???あたしが実弥を?』
桜雪は自分でも驚いているようだが顔が真っ赤になっている。
『不死川実弥さまですか?』
『う……うん…』
『(あの…勝気な桜雪さまが乙女になってらっしゃるっ!?)』
『あ〜そういうことか〜…前にさ…取っ組み合いの喧嘩をして胸に実弥の手が当たったって話したじゃん??』
『はい。お聞きしました。』
自分の気持ちに気づいて顔を真っ赤にする桜雪を微笑ましく見ながら佐藤は答えた。
『その時さ…なんか…ゾクってしたんだ…なんか心地よくて…訳わかんなかった…』
そう話す桜雪の顔は耳まで真っ赤になっている。