第16章 最終決戦、そして…未来へ
道場はかなりの人気になり、実弥はしっかり大往生して家庭を持ち、子供が沢山産まれた。
しかし、戦乱の世と化したが為に沢山いた子供達の一部は戦地へと赴き…二度と帰ってこなかった。
それでも、残った子供達は必死に生きた。
そのうち…年号は昭和に変わった。
それでも、生活は安泰とは行かなかった。
道場も一旦、畳むことになってしまった。
シーンと静まりかえってしまった道場の中で実弥は桜雪の刀と自分の刀を手入れしていた。
いつか…桜雪が生まれ変わって鬼舞辻無惨が復活した時に使えるように…
『じいちゃんっ!!』
実弥の孫が駆け寄ってきた。
『ん〜?なんだァ?』
実弥は優しく微笑んで孫の頭を撫でながら言った。
『その刀は1つは、じいちゃんのなんでしょ?もう1つは?』
『この刀はな…天晶桜雪っていう人の刀でなァ?じいちゃんが初めて好きになった人のもんだァ…』
窓から差し込む光に輝いている透き通った刀は実弥に桜雪の笑顔を思い出させていた。
『ばぁちゃんじゃない人ってこと?』
『そうだ…ばぁちゃんよりも先に出会って色んな事を話して…共に闘った仲間でもあるんだァ…』
実弥はその何十年後…
桜雪との思い出を振り返りながら…
子供たちと孫や妻に見送られながら…
人生を終えた…