• テキストサイズ

死にたい鬼の想い

第15章 無限列車



『ほう…切り落としてもまだ倒れぬか…鬼でもあるから回復もするということか。』

桜雪の腕は瞬時に生えた。
この生える感覚というのが激痛を伴う。

桜雪は顔を歪めている。
それでもしっかりと肩を押さえながらも立っている。

そしてニヤリ…と微笑んだ。

『血気術…爆血毒刃っ!!』

『ぐぅ…かはっ…』

桜雪がそう言うと黒死牟は突然…苦しんで血を吐いた。

『あたしの血は…稀血ではあるけど…藤の花の毒を飲んでいたせいで…鬼には毒となる…あんたは…さっき…あたしの返り血を浴びた。そのまま毒が回って死ぬ…お疲れ様…』

桜雪は黒死牟をバカにしたように言った。

『おのれぇぇぇっ!!!壱ノ型…闇月・宵の宮っ!!』

『っ!?(避けきれないっ!!)』

黒死牟が力を振り絞った技を桜雪はマトモに受けてしまった。

黒死牟は桜雪の血気術により…崩れて散った。

『桜雪さんっ!!』

日が登ってきた頃…

遠のく意識の中で炭治郎が呼ぶ声がした。

『あ〜…炭治郎か…あたし…もう、ダメだわ…あたしの刀…実弥に渡して…それでね…あたしを愛してくれてありがとう…愛してるって…伝えといて…』

『桜雪さんっ!!』

炭治郎が悲痛な声で叫んだ声が列車の中に響いた。
桜雪の体は崩れ去り…刀と隊服だけが残った。







/ 224ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp