皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第11章 寵愛 【ロブ・ルッチ】
ルッチ「おい。」
「!…は、はいっ!」
ルッチ「ん。」
「あ…はい!」
飲み終わったマグカップを私の前に突き出してくるこの男。ロブ・ルッチ。CP0の総監である。
家族は私が5歳の頃に海賊達に殺されてしまった。行くあてもなく街を転々としていたところ、海賊達に襲われてしまい、助けてくれたのがこの男だった。でも彼は助けたのではなく、単純に人を殺したかっただけらしい。私も殺される運命だったのだが……。
*
「殺されたくなければ、俺の下で使われろ。」
*
それに了承し、今は雑用係として使われている。
「お待たせしました。」
コーヒーを淹れ、彼に渡す。
ルッチ「…」
「…」
正直、彼に守られてばかりで、かなり足手まといだと思う。でも彼は私を任務に連れて行く。
「あ…の…。」
ルッチ「なんだ?」
「わ、私を…どうして捨てないんですか…?」
ルッチ「…」
「わ、私は足手まといで…ルッチさんに…迷惑ばかり」
そう伝えようとした瞬間、船が揺れた。
「!…わっ…!」
体勢を崩してしまった。
海兵A「海賊だ!!」
海兵B「かまえ!!」
「!…」
どうやら、海賊達が攻撃を仕掛けて来たらしい。この船に乗っているのは、海兵20人と少将が1人、あと彼、ロブ・ルッチのみ。
海兵C「ぐはっ!!」
海兵D「なんだ…っ…コイツら!!」
強いのか手こずっているようだった。